超短編
文字どおり古今東西の神話、説話から村上春樹まで、とにかく超短いお話をテーマごとに編まれている。数行だけのものもある。知名度に関わらずたくさんの作家がとりあげられており、新たな出会いがある。ただ、内容は決して万人向けに「わかりやすい」ものではなく、癖のある作品が多い。一篇ごとに味読だ。たぶん、好みの分かれる短編集。
本間祐的超短編
96年パスカル短篇文学新人賞優秀賞を受賞し、500字程度の「超短編」ジャンルで主に活躍してきた本間祐が編んだ、初の国産「超短編」アンソロジー。 短い創作として書かれたお話のみならず、新聞記事から散文詩まで収録してしまうあたり、編者本間祐の、小さなお話への大きな考えが見えてくる。「超短編ってこんなに広かったんだ」と、小さなお話の大きな世界が一望できる。自由なんだ、すごく。それがこの本を読んで得た、一番の感覚だった。 生活の折々で、自分が何かの型にはまりそうな気がしている時、この本を何度でも読み返してみたい。掌の中で、現実がくにゃりと曲がって笑いや苦味が生まれる瞬間に、自由なんだ、と感じられるだろう。
筑摩書房
超短編SENGEN SUDDEN FICTION―超短編小説70 (文春文庫)
|